CPAP治療とは【睡眠時無呼吸症候群】

睡眠時無呼吸症候群は誰にでも起こりえる病気です。このページでは睡眠時無呼吸症候群とはなんなのか、どんなリスクがあるのか、どんな検査があり、どんな治療方法があるのかをご説明させていただきます。

睡眠時無呼吸症候群【SAS】について

睡眠時無呼吸症候群とは、その名の通り「睡眠中に」「呼吸が止まってしまう」病気です。誰もが睡眠中にかく「いびき」を聞いたことがあると思います。あのいびきは無呼吸一歩手前の症状だということをご存じでしょうか?

そう、睡眠時無呼吸症候群は本当に身近に存在しているのです。

睡眠時無呼吸症候群の仕組み

睡眠時無呼吸症候群には大きく分けて2種類存在します。

・中枢性睡眠時無呼吸症候群
・閉塞性睡眠時無呼吸症候群

どちらも睡眠中に呼吸が止まることは変わりないのですが、ここには大きな違いがあります。

中枢性睡眠時無呼吸症候群

あえてこちらからご説明いたします。どちらかというとCPAPとは離れた位置付けとなる中枢性睡眠時無呼吸症候群。

この無呼吸はのちにご説明する閉塞性の睡眠時無呼吸症候群とは少し違います。簡単に言うと「脳からの指令が出ていない無呼吸」となります。こう説明すると少し怖く聞こえますよね。実際に対処のレベルの違う無呼吸なのでCPAPとは別の治療が必要があります。

セントラルとも呼ばれるこの無呼吸、脳からの信号が出ていないため肺が動きません。CPAPなどで陽圧をかけても肺が動かず呼吸ができないため治療はASVなどの人工呼吸器装置が必要です。

閉塞性睡眠時無呼吸症候群

ほとんどの場合、こちらの睡眠時無呼吸症候群です。CPAPを使用している方は特にですね。中枢性の無呼吸とは違い脳からの信号はでているため肺は動いています。

ではなぜ呼吸ができないか、それは気道が「閉塞」しているからです。それで「閉塞性睡眠時無呼吸症候群」と呼ばれています。わかりやすいですね。

閉塞性睡眠時無呼吸を知るために「いびき」を知る

冒頭で説明した通り「いびき」は睡眠時無呼吸症候群の一歩手前の状況です。閉塞性睡眠時無呼吸を知るときに、「いびき」の原理をしることで理解が深まります。

いびきの原理

※ここでの話は「閉塞性睡眠時無呼吸に対してのいびき」の話となります。

まず、いびきは「気道が狭くなった際に空気が通る振動」です。風船に空気を入れ、空気の出口を止めずに空気を出し続けた場合最後に音がするはずです。あの原理に近いですね。

違う点としてはいびきは息を吐くときに出るわけではなく「吸い込むとき」に発生します。息を吸うよりも吐くときのほうが空気圧がかかり気道が確保されるのかな?と推測されます。そのため吐くときにも音がする方はいるかもしれません。

狭くなった気道がさらに狭くなり無呼吸へ

いびきは気道が狭くなったところに空気が通る振動の音、それがさらに進めば「閉塞性睡眠時無呼吸症候群」となります。

名前そのままなのでわかりやすくはありますが、さらに閉塞性睡眠時無呼吸症候群にはまた種類が存在します。睡眠時無呼吸、CPAPに特化した記事にできればと面ますので取りこぼしなくご説明できればと思います。

閉塞性睡眠時無呼吸の原因

ここからは閉塞性睡眠時無呼吸症候群の原因をご紹介いたします。同じようで違う、というような内容もありますがここを理解していると自分がどこに当てはまっているのかがわかるはずです。

肥満による閉塞性睡眠時無呼吸

体重が増えてからいびきをかくようになって・・・」といったお話を聞いたことはありませんか?実際に自分がそうであるという方もいると思います。

これは首周りに脂肪がついてしまうことで物理的に気道をふさいでしまうために起きる現象です。寝ている間は首周りを支えている筋肉も緩和されるのであおむけなどで寝ると余計に起きやすいですね。

舌根沈下による閉塞性睡眠時無呼吸

舌根沈下(ぜっこんちんか)とは寝ているときに舌が気道に入り込んでしまうことです。自分の舌が原因で気道をふさいでしまうなんて思いもしないですよね。これもあおむけで寝ると重力によって引き起こされやすい現象ですので、横向きで寝ると改善しやすい現象です。

骨格による閉塞性睡眠時無呼吸

顎が小さい現代人は寝ている間顎が下がり、気道をふさいでしまうことがあります。枕を高くしてしまうとこれも起きがちです。やわらかいものを食べ続けていることであごが発達せず小さくなっているという説もあります。

ここまでのどれも仰向けが症状をよくなくする可能性があります。

扁桃腺肥大による閉塞性睡眠時無呼吸

扁桃腺が大きい人は閉塞性睡眠時無呼吸のリスクが上がります。物理的に閉塞してしまう可能性が高いので、扁桃腺切除で症状が良くなるという方もいます.

閉塞性睡眠時無呼吸は「物理的な閉塞」

細かいものはまだあるものの、大きくは以上です、通常空気の通り道として閉塞してはいけない気道が閉塞してしまうと起きるのが「閉塞性睡眠時無呼吸症候群」ということですね。

閉塞した気道に対してできるアプローチ

では、閉塞してしまった気道に対してできる治療方法はなんなのか、というお話になります。基本的には2つのほうほうになります。

マウスピース

マウスピースは口腔外科でその人に会った形で作成されます。下あごを少し前に出した形にし、気道がふさがらないようにします。長期使用による顎関節症などの副作用が考えられること、重症の無呼吸の場合改善が期待できないなどの問題があるので、使える人使えない人に分かれる方法になります

CPAP

CPAP治療は閉塞性睡眠時無呼吸症候群に対しては明確な効果がある治療方法です。閉塞した気道を「空気の圧力」で広げ安全に気道を確保する治療方法です、副作用も乾燥のみで、ほぼ確実に効果が出ることから現在睡眠時無呼吸症候群の治療に対しての一番の方法とされています。

睡眠時無呼吸症候群を放置してしまうと

睡眠時無呼吸症候群は「いきなり症状があらわれて急激に悪化するものではありません」そのため「別に今治療しなくても今まで大丈夫だったし・・・」と思いがちです。

しかし、睡眠時無呼吸症候群はあなたの体に少しずつ少しずつ蓄積し、気が付いたら恐ろしい病気の原因になってしまうのです。

睡眠時無呼吸が原因で起きる病気

寝ているときに呼吸が止まり、心臓に負担がかかり、血流が悪くなり、脳に酸素がいかない。こう書いただけでも恐ろしいですよね・・・これが長い間続くことで体に悪影響が起きます。

ちなみに血中酸素飽和度は起きている間は100%-98%です。睡眠時無呼吸症候群の最中はなんと70%まで下がることがあります。

通常時に血中酸素が70%になると、即救急車、入院です。
立っていられないレベルの状況に睡眠中に陥っているのです・・・

心不全・脳卒中・心筋梗塞のリスク

睡眠時無呼吸症候群を放置してしまうとさらの恐ろしい病気のリスクを挙げてしまいます。

心不全・脳卒中・心筋梗塞、このどれも一度なってしまったら取り返しがつかない恐ろしい病気です。
睡眠時無呼吸症候群を放置するということはこういったリスクから目を吸向けることになってしまいます。

あなたの体を守る=家族を守るということです

上記のような思い病気にかかってしまった場合、寝たきりになってしまう可能性すらあります。その際はご家族の負担は非常に大きくなってしまいます。結果的に自分の体を守るということはご家族を守ることなのです。