現在、Philips社のCPAPで使用者様に関わる問題が発生しています。この記事では今回の問題を私がわかる範囲でご説明させていただきます。
※現段階の情報はメーカーからの正式発表は少なく、ほとんどが日本国内外に出ている情報を集めたものになります
- 対象のCPAPは世界で多く使われているシリーズ
- 今回の問題は「消音材」
- 原因は「定められていない清掃方法」にある
- 海外のフィリップス社は「自主的なリコール」へ
- オゾンを用いた清掃方法を行っていない場合は安全なのか?
- オゾン以外でも起こる可能性がある
- 日本で同現象は「起きていない」
- 発生確率は0.03%
- 今後の対応はまだ未確定
- 日本呼吸器学会のホームページで出ている内容
- 第一報(2021/6/16)
- 想定される健康への影響
- 第2報(2021/6/25)
- バクテリアフィルターとは
- フィリップス社製品に使われている消音材「ポリエステル系ポリウレタン」
- 内部構造を見ることができました
- 絶対に真似しないでください。
- 外部のCPAP清掃機が悪いのであれば責任はどこへ?
- CPAPクリーナー【ResFit】
- CPAPクリーナー【名称不明】
- So clean 2
- So clean は今回のフィリップスのリコールについてコメントしています
- RESMED社はオゾン清掃機を使った場合「保証対象外」としていた
- フィリップス社の場合・違う表現の内容を見つけられた
- それでも海外のフィリップス社は「自主的なリコール」を行う
- 日本国内の対応と海外の対応
- 現状の国内の対応
- 今後の見通し・予想について
- ドリームステーション2
- 最終的な感想「フィリップス社の初動は早かった」
対象のCPAPは世界で多く使われているシリーズ
今回の問題で対象となるCPAPは以下の通りです。
・ドリームステーション
・ドリームステーションGo
・【REMstar】System One 60シリーズ
・【REMstar】 Auto PRIシステム
上記は日本に限らず世界中でシェア率の高いものとなります。現在アメリカでは使用中止の連絡が行われております。
今のところ日本では上記CPAPで今回の問題が起きているわけではありませんが、現状では「使用するならリスクを理解した上で・・・」とされています。
今後どうなるかわかりませんが2021年7月5日現在、日本国内でリコールにはなっておりませんことをまずはご理解ください。
今回の問題は「消音材」
今回、問題となってしまったのはCPAPの音を軽減するための「消音材」である「ポリウレタン」でした。ポリウレタンは世の中にたくさん使われているので聞いたことがある人も多いはずです。
では、この「ポリウレタン」の何が問題になったのかに焦点を当ててみます。
原因は「定められていない清掃方法」にある
海外ではCPAPの内部を「オゾン」で清掃する商品が販売されています。この「オゾン」が今回の問題を明らかにしました。
「オゾン」の影響でCPAP内にある消音剤「ポリウレタン」が劣化し、結果的に剥がれ落ちたポリウレタンや発生したガスを吸い込むことによって健康被害の可能性があるとわかったのです。
日本国内でも大手ショッピングサイトで見る「CPAP清掃機」なども同じ可能性があります。
海外のフィリップス社は「自主的なリコール」へ
現在、海外フィリップス社は自主的なリコールを発行しています。しかしながら「どこに送るのか」「どのような対応になるのか」は2021/07/06日現在明確になってはおりません。
現状海外で出ている発表情報は記事の最後に日本語訳した発表内容を記載いたします。
オゾンを用いた清掃方法を行っていない場合は安全なのか?
ここで「オゾンを用いた清掃方法を使用してなければいいんじゃないの?」と私は思いました。
外部の清掃方法をしよすること自体行うことは、少なくとも日本ではほとんどありませんよね。私自身も使ったことがないですし。レンタルならなおさらその必要性と需要は日本国内では低いんじゃないかな?と考えています。
それであれば、今回のケースは日本国内では問題にならないのでは?と思いましたが、日本国内でもフィリップス社は使用中止についての内容を発表しました。
オゾン以外でも起こる可能性がある
その後フィリップス社は「オゾン以外の経年劣化等でも今回のケースは起こる可能性がある」と発表しました。
たしかに、劣化が原因であればそれは十分考えられる内容だと思います。
さらに、劣化がなくても基準値以上の結果を示した、という内容も見受けられました。
このことを重く捉えたフィリップス社は全面的な使用中止の連絡を各施設に出しました。
日本で同現象は「起きていない」
ここまでわかってきた情報を集め記載していますが、結果的に日本国内で同現象は「確認できていない」です。
そのうえで今後の可能性を考えて使用中止の連絡があったという経緯となります。
システムワンシリーズ、ドリームステーションシリーズはCPAP市場に登場してから長い年数が経つモデルです。そのうえで今回の現象が起きていないということは確率はかなり低いんだと思われます。
発生確率は0.03%
今回の事例の発生確率は全体の0.03%のようです。確率はかなり低いみたいですね。このことからか、呼吸器学会含め今後の対応は「使用中止するリスクと使用するリスク、どちらのリスクが上かを考えて使うかどうかを決めるべき」とされています。
今後の対応はまだ未確定
今回の内容でのフィリップスの対応は個人的には早かったように思います。日本でこの現象が確認される前に未然に問題を防げるとしたらそれが一番だと思います。
ただ、今後の対応はまだ決まっておらず、今後どうなっていくのかも想像できない状況が続いています。
使用中の方は不安が残るかと思われますが、きっとしっかりとした対応をしてもらえると期待しています。
日本呼吸器学会のホームページで出ている内容
今回のフィリップス社のCPAPに対する問題として「呼吸管理学術部会」からの安全通知が発表されています。
こちらは更新があり次第、出来るだけ早く追加していきますのでどうぞよろしくお願いいたします。
第一報(2021/6/16)
原文はこちら
2021年6月14日にPhilips社によるCPAP・ASV・Bilevel PAP・人工呼吸器に対して米国におけるリコール、その他の国に対する安全通知が発表されました。
安全通知は海外では【safety notice】と呼ばれています。
内容は防音に使うポリエステル系ポリウレタンが劣化し、細かな粒子となって回路に侵入、そのまま使用者が吸入してしまう可能性について触れています。
「メンテナンスで支持されていない【オゾン】などを使ったクリーニングが原因のひとつである」ということが示唆されているものの、劣化していなくても基準値を上回る結果が記されていました。
想定される健康への影響
健康絵の悪影響として考えられるのは
・頭痛
・過敏症
・悪心嘔吐
・鼻炎
・呼吸器関連症状
などがあげられるとありました。
これまでに今回の件での死亡事例などはございません。粒子が見られたという苦情報告は全体の0.03%の割合で、日本においては同じ現象を確認されていません。
フィリップスは上記に対し「市場安全通知のお知らせ」を発行し、内容には下記の事項が記載されています。
1:使用中の機器の使用を中止し、継続的な治療について最適な方法をご検討して下さい。代替品がなく、機器を引き続き使用する場合には、継続することのメリットが本書に記載するリスクを上回るかどうかをご判断ください。
2:フィリップス・レスピロニクスが実施する是正措置:今回の「安全に関するお知らせ」に記載された二つの問題に対応するため、恒久的な是正措置をおこないます。具体的措置内容につきましては改めてご連絡いたします。
第2報(2021/6/25)
前回の第一報では情報が非常に不足していたことで、具体的な対応策について言及はできなかったため、新たに今回の第2報が発行されました。
リコール対象となっている米国ですら情報は未だに不足していて、現在も継続して議論と対応策に対して話し合いが行われているようです。
※今回の第2報では「あくまで情報が完全でない現時点でできる限りの対応であり、今後の情報があれば更新・変更が行われる可能性がある」事をご留意ください。
また、今回の対応は「指針ではありません」あくまでも個々の患者様にとって最良の選択を「医師の判断で」行ってください。
と記載されています。やはり情報がまだ確定ではなく、対応が難しいようですね・・・。
1・今回の「市場安全通知」に該当する機種を使用中の方に対して、ここの重症度・症状・依存症・さらに職業などを鑑みてから、治療中断のリスクと継続するメリットを考え総合的に判断する
2・代替機器が容易で来た際には、今回の市場安全通知の影響を受けない機器への切替を医師の判断で行う。
3・治療を継続する場合は、切替までの間フィリップス社が用意するバクテリアフィルターを使い、一体型の加温加湿器の使用を中止する。
4・バクテリアフィルターは、防音に使用されているポリエステル系ポリウレタン製の発泡体の劣化によって発生する細かな粒子を捕捉するためには有効であるが、発泡体自体が発生させてしまう揮発性有機化合物ガスを吸入することを防ぐ効果はないことに留意してください。
ガスの発生をできるだけ防ぐため、高温・多湿環境での機器の使用を避ける。なお、現時点では揮発性有機化合物ガスによる毒性の程度は明らかにはなっていない。
5・治療を中断する場合の代替機器が届くまでの間は、考えうる最適な治療オプションを提供する。治療オプションの中には口腔内装置・減量・側臥位睡眠指導なども含まれる。
6・今回の市場安全通知に該当する機種のうち、在宅人工呼吸器においては、治療中断することで起きるリスクの大きさを鑑み、バクテリアフィルターを加え使用を継続する。代替機器として今回の市場安全通知の対象とはならないフィリップス社の機器【トリロジーEvoシリーズ】もしくは他社の機器を適宜考慮する。
以上となります。
バクテリアフィルターとは
今回の発表で「バクテリアフィルター」を使うとありました。実際に私は使ったことがないため、どんなものかを探してみました。
このようなアイテムをCPAPの出口につけて使用するようですね。確かに内部のポリウレタンが劣化で流入してきたとしてもここにフィルターがあればそこでキャッチできると考えられます。
できるかわかりませんがこのようなアイテムを当社でも使えるように手配してみようと思います。
注意点としては
・加温加湿器は同時に使わない
・ガスまでは除去することはできない
という部分ですね。
フィリップス社製品に使われている消音材「ポリエステル系ポリウレタン」
※ここから先の記事は海外のユーザーの情報をもとに作成しています。絶対に真似をしないようにしてください。保障等は一切受けられないうえに、医療機器を資格を持たないものが開ける行為は違法行為です。 万が一本体を開けてしまっても当サイトは一切責任を持ちません。
当社は海外のCPAP関連業者とのつながりがあるため、今回の件で情報提供を依頼し、このような記事を作成することが出来ました。
やはり国内では発表されていない情報、対策などがあり、少しでもなにか発信できないかと和訳をし、ここで記事にさせていただきました。
そんな中で「消音材ってどんな形で入っているか知っていますか?」と何気なく質問したところ、実際に開けて消音材を取り除いたユーザーがいると話を聞きました。
そんなことしていいわけがないので耳を疑いましたが、私自身の興味もあり、詳しく話を聞きました。
私の考えの上でも、ユーザーへの危険があまりに高いため、詳しい分解方法などは一切触れません、あくまで「こんなものなんだ」と理解を深めていただくための情報だとお考えいただき、絶対にご自分で行わないようにご注意ください。
内部構造を見ることができました
内部を開ける動画が発見できたので、そちらをもとに書いていきます。
まず、私が見つけたのはフィリップス社のドリームステーションの動画でした。
誤解を招く可能性があるため、詳しい開封の様子はこちらで説明はしませんが、中を開けると基盤、その下に空気を送るユニットがありそうです。画像の赤い丸の部分ですね。
さらに奥に進んでいくと送風部分のユニットが見えました。やはり消音剤はここにあるようですね。
通常外すことができない様になっていることが見て取れました。
実際、この方がこの消音剤を外す方法はかなり力技というか・・・本当に大丈夫なの?という方法でした。
最終的にこの方はこの様に消音剤を完全に取り外していました。実際のレビューを見て、私がわかる範囲での英語を聴いている分には機能には問題が起きていないと言っていました。
このような消音剤は他の商品でも多く使われているんじゃないでしょうか。CPAPや人工呼吸器の様に直接吸い込むものだと問題がある可能性がわかったんだと思いますが、今までのCPAPすべてがどうだったのか、現行のCPAPは何を使っているのかまでは分からないため、ここで何かがわかればお伝えさせていただきます。
絶対に真似しないでください。
冒頭でも説明させていただいた通り、このような対処方法はあまりにもリスクが大きく、日本国内では行ってはいけないことです。絶対に真似をしないでください。
まず保証は受けられなくなる上に、医療機器を資格なく開けることは違法行為です。
不安な方はフィリップスジャパンに問い合わせましょう。
外部のCPAP清掃機が悪いのであれば責任はどこへ?
ここで「オゾンを用いた外部の清掃機が悪いのであれば、悪いのはフィリップスではなく、その清掃機のメーカーでは?」と私は感じました。
私自身、CPAP業界にいる経験の中でそういった清掃機があることは把握していました。しかし「日本国内で使われていないものが必要だとは思えない」といった考えであまり興味を持つことはありませんでした。
まずは、わかる範囲でCPAPの清掃機を探してみました。
※上記でご説明差し上げた通り、清掃機を使うことをおすすめしているわけではありません。
CPAPクリーナー【ResFit】
※こちらのCPAPクリーナーでのオゾン清掃方法が原因で起きた、と断定しているわけではありません。
「CPAPクリーナー」で検索すると大手ショッピングサイトに表示されました。
USBで接続し、オゾンでの滅菌ができると記載がありました。私の知識が乏しく、この商品を正直どう使うのかはわかりませんが、おそらくホースに接続してCPAPにつなげるのかなという印象でした。
CPAPクリーナー【名称不明】
※こちらのCPAPクリーナーでのオゾン清掃方法が原因で起きた、と断定しているわけではありません。
こちらはネットでよく見る形のCPAP用オゾン清掃機です。
この形は本当によく見るものですね、最初は「え?CPAP本体なのかな?」とも思いましたがオゾンを用いた清掃機の様です。カラーバリエーションがいくつかあるようです。
So clean 2
※So cleanでのオゾン清掃方法が原因で起きた、と断定しているわけではありません。
私が知る限り、有名なCPAP用清掃機はこちらです。
1の頃から海外では割と人気の機種だったと思います。コロナウイルスの影響もあってアメリカ等、海外ではかなり売れていたと聞き及んでおります。
ただ、私自身使用したことがなかったこともあり「これってオゾンでの清掃なの?」というレベルの知識しかありません。
調べてみたところしっかりと「活性酸素(オゾン)」を使用して清掃すると記載がありました。
So clean は今回のフィリップスのリコールについてコメントしています
少し驚いたのですが、海外の記事ではSoCleanの様なCPAP洗浄器具は「今回のフィリップスのリコールとは無関係だ」と声明を出しています。
英文の記事をそのまま和訳すると
「このリコールの影響を受けたほとんどの機械は、オゾン洗浄装置との関係がありません」
「SoCleanは引き続き状況を監視し、必要に応じてさらに更新を提供します。」
とありました。
「そもそも市場データを見て、大多数の人は洗浄装置を使用していない」
「フィリップスは高温多湿の環境がポリウレタンを劣化させることにも注目している」
「オゾンはCPAP内部に入らずポリウレタンの上を通らない」
と記載もあり「確かに」と思う反面、使用後機械からオゾンの匂いがするといったよくある質問もあったりと、情報が交錯しています。さらに一点どうしても気になる問題があります。
RESMED社はオゾン清掃機を使った場合「保証対象外」としていた
フィリップス社に並ぶシェア率を誇るRESMED社は、2020年2月に「オゾンを使用した清掃方法で損傷が発生した場合、保証対象外にする」と言った内容の補償のアップデートを行なった様です。
長くオゾン装置を使った結果、内部損傷を引き起こし「モーターノイズの増加」などの可能性があるとしています。
その結果2020年2月以降のRESMEDマシンに対して「オゾン仕様の場合保証対象外」と明記され、保証はともかく使うか使わないかに関してはユーザー次第で「禁止も推奨もしていません」と記載がありました。
それに対してSoClean側は「2年間SoCleanと一緒に使用した場合は3年間の保証を追加」しました。
3年・・・何を保証するのだろう?と思い見てみたのですが、私の力では現在SoCleanがどこまで保証してくれるのかはわかりませんでした。
フィリップス社の場合・違う表現の内容を見つけられた
ではフィリップス社の場合はどうなのだろうかと思い海外の記事を探してみたところ。元々は顧客からの要求に応えた手紙で「ドリームステーションでSoCleanを使用しても保証が自動的に消えることはありません」と伝えていた様です。
しかしながら2020年に「SoCleanが原因で故障したと判断された場合は保証を無効にする権利を留保します。」と情報が更新されました。
その後「フィリップスはSoCleanとの互換性をさらに分析し【利用可能になった時に】詳細情報を提供します」とありました。
これは少しグレーな表現ではありますが、ほぼ保証対象外と言えるとも取れますよね。
それでも海外のフィリップス社は「自主的なリコール」を行う
上記オゾンの影響に関連性がある可能性があるとしても、フィリップス社は「すべての可能性を危惧して【自主的な】リコール」を行うと発表しました。ここに関しては医療機器を取り扱うメーカーとしての責任感を感じました。
0.03%という少ない可能性は決して多くはないにしても、間に合ううちにきちんと対応しようという気持ちがみられる内容です。
日本国内の対応と海外の対応
今回の海外フィリップス社の自主的なリコールは、どの様に収束していくのでしょうか。今後の対応には注目しなくてはいけません。
私もできる限り情報を収集しこちらで発信していければと思います。
現状の海外の対応
2021/07月現在、自主的なリコールは決まっているものの、明確な対応の発表はされていない様です。
現状の国内の対応
2021/07月現在、他社製CPAPへの変更等は行われているものの、現行の機械を使用している方も多く、今後の対応の発表はされていません。
今後の見通し・予想について
これからフィリップス社はどの様な対応をするのかを、過去の状況から考えてみます。医療機器のリコールというのは全くない話ではなく、過去にもCPAPでも、そのほかのものでも起きています。
例えば、RESMED社製CPAPである【S8】過去にAC電源のソケット部分が原因での自主回収があった様です。
当時の正確な台数や規模は把握できていませんが、ドリームステーションシリーズと比べて、当時のCPAPの使用者数を考えてもかなり少なかったと考えられます。
そんな状況で当時半年以上かかったとされる自主回収、今回のドリームステーションは400万台、日本国内で20万台以上と言われています。全て修理するとなるとどれほど時間がかかるかわかりません。
全くわかりませんが、現状ではCPAPは別の機械に交換になるんではないだろうか、と想像しています。それを思わせる様なタイミングでフィリップス社は新しいCPAPを発表しています。
ドリームステーション2
フィリップス社の新しいCPAPであるドリームステーション2は今回の問題はクリアになっている様です。
日本では薬事承認前だと思われますが、現状海外ではすでに取り扱いがスタートしています。
加温加湿器が一体型になっているモデルの様で、一刻も早く日本でも使用される様になり、現状の問題が払拭されることを待つばかりです。
しかしながら、日本のみならず世界でシェア率の高いドリームステーションの代わりとしてカバーするにはまだまだ台数が足りていないようです。
実際に今回の問題が原因で、他社製のCPAPも世界中で枯渇している状況が続いているようです。
最終的な感想「フィリップス社の初動は早かった」
ここまで今回の問題について私が知り得ることができる情報を集めさせていただきましたが、確実に言えることは「フィリップス社の初動は早かった」です。
アメリカで少し騒ぎになっている段階ですぐに動き始めた結果、現状「使うリスクと使わないリスクを天秤にかける」という時間が生まれています。
今後どのような対応になるのかは全くわかりませんが、きっとこれからの対応もスピード感を持って動いてくれるんじゃないかと思います。
当サイトには今回の件で他社でドリームステーションを購入した方からのご相談もありました。輸入代行等で購入した場合、対応は全て海外で行うしかないと思われます。
当サイトは国内で認可を受けて運営しています。こう言った問題が起きた際も国内での対応が可能ですのでぜひご相談ください!
今後も状況は随時アップデートさせていただきます。
2021/07/06
Philips海外発行内容の和訳
- フィリップス社は、規制当局と協議し、患者の安全を確保するため自主的なリコール通知*を開始しています
- 今回影響を受けるデバイスの使用に関する、指示・修復および交換プログラムの展開が含まれます
- フィリップス社は、今回の修正の範囲内で「影響を受けるすべてのデバイス」に可能な限り迅速に対処することを目指しています
そのため、フィリップスは自主的にリコール通知*を発行し、この問題に関連する患者の健康と臨床使用への潜在的な影響、および取るべき措置の指示を患者と顧客に通知することを決定しました。
ロイヤルフィリップスのCEOであるフランスファンホーテンは、次のように述べています。「患者の安全を確保するために本日発表する積極的な対策により、影響を受けるデバイスを使用する患者が経験する懸念や不便を深く遺憾に思います。
「関連する規制当局と協議し、お客様やパートナーと緊密に協力して、影響を受けるデバイスの最新の使用説明書の展開や包括的な修理および交換プログラムを含む解決に向けて懸命に取り組んでいます。患者の安全は、フィリップスで行うすべての中心です。」
リコール通知*患者と顧客へのアドバイス
潜在的な健康リスクの最新の分析に基づいて、十分な注意を払って、リコール通知*は患者と顧客に次の行動を取るようにアドバイスします。
影響を受けるBiLevelPAPおよびCPAPデバイスを使用している患者の場合:デバイスの使用を中止し、医師または耐久性医療機器(DME)プロバイダーと協力して、継続的な治療に最適なオプションを決定します。代替手段がないためにデバイスを継続して使用するには、医師に相談して、デバイスで治療を継続することの利点が、リコール通知で特定されたリスクを上回るかどうかを判断してください。*
影響を受けた生命維持人工呼吸器を使用している患者の場合:医師に相談するまで、処方された治療を中止または変更しないでください。フィリップスは、生命維持療法のために人工呼吸器を必要とする患者、または治療の中断が容認できない場合には、治療のための代替人工呼吸器オプションが存在しないか、厳しく制限される可能性があることを認識しています。これらの状況では、治療を行う臨床チームの裁量により、これらの人工呼吸器デバイスを継続して使用することの利点は、リコール通知で特定されたリスクを上回る可能性があります。*
考えられる健康上のリスク
修理および交換プログラム
プログラムの一環として、第1世代のDreamStation製品ファミリは、異なる防音フォームで変更され、必要な規制認可を受けて出荷されます。
フィリップスが最近発売した次世代CPAPプラットフォームであるDreamStation2は、この問題の影響を受けません。このプログラムをサポートするために、フィリップスは、米国およびヨーロッパの一部の国で利用可能なDreamStation 2CPAPデバイスの生産を増やしています。
影響を受けるデバイスの使用に関する更新された指示により、修理および交換プログラムの調整と加速が行われ、顧客や患者とのコミュニケーションが強化されました。これにより、2021年の第1四半期に会社が記録した引当金に加えて、設置ベースでの是正措置の予想コストが2億5,000万ユーロ増加しました。
*これは米国のみのリコール通知であり、世界の他の地域の現場安全通知です
** CPAPマシンおよびアクセサリの洗浄にオゾンおよび紫外線(UV)ライト製品を使用することに関連する潜在的なリスク:FDA安全通信。